独華


春の明るさの中で 南風に吹かれて飛び散る

桜の花びらの切なさに 美しさを感じる人には用がない

春の優しさの中で 誰からも好かれて花開く

桜の花びらのいじらしさ 美しさを感じる人には用がない

震える夜に咲く あの寒椿のように

厳しさの夜に咲く あの蝋梅の華のように

報われるためではなく 独りで生き抜くためでもなく

独りで自分の心のお華を

咲かせてゆくの 咲かせてゆくの


→復讐するは音にあり